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>>赤腹のお吸い物
椀からはみださんばかりにその存在感をアピールする“赤腹”。
その名は、ウグイ(ハヤ)が産卵期に婚姻色である一筋の朱でその腹を彩ることに由来している。
春先、野尻川を遡上してきた赤腹を網にかけて捕る。それを保存食用に串焼きにして乾燥させたものと凍み豆腐だけをダシにした、年取りの日に出されるこのお吸い物に加えられるのは、ネギと少量のしょうゆ・酒だけである。しかし、はらわたを残したままの赤腹からにじみ出たほろ苦さが隠し味となり、まさに“滋味”という言葉がぴったりと当てはまる。
見た瞬間に感じた赤腹の存在感は、「これだけの味が出せるんだぞ」という赤腹の自信が醸し出したものなのかもしれない。
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