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>>トチっけぇ
とろりとなめらかにのばしたトチ粥に、黄色のキビが粒のまま練り込まれている。
香ばしい匂いが鼻先に漂う。
舌に乗せると、素朴な木の実と穀物の香りが口中にひろがった。
添加物を一切排した深い味わいは、まさに原初の味。
アツアツはさらりとしている。
奥会津のいのちを支えた代用食である。
悦子さん
嫁に来た頃、食べるもんがなくってこればっかり。
とっても食べられなかったよ。
今は、これほどうまいもんはないと思って作るんです。
トチの芽が動き出したから、もうトチ晒しても苦みが抜けないね。
水がぬるむと、トチ晒しはおしまいだ。
今年はこれが最後のトチっけぇだね。
いっぱい食べっといいよ。
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